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Girl/ガールのsukimmerのレビュー・感想・評価

Girl/ガール(2018年製作の映画)
4.6
『誰かの模範ではなく、普通の女の子になりたい』

トランスジェンダーの女の子ララは自分がこう在りたいのに、在りたい場所にいることができない。周りの友人たちの普通。膨らみのある胸や、女性の曲線的で男性器のない身体。たわいもなく女の子を楽しむこと。羨望感と絶望感その中を揺れながらも、プロバレリーナを夢に静かに強かに生きる、そんな15歳のララの繊細な美しさに、ふわっと柔らかな涙が流れる映画だった。カメラワークがララの心情を繊細に語っていて、言葉や表現の奥に放つ、彼女の意思や強さ、困難な挑戦や新しい人生を切り開く姿に『美しさ』の定義を再確認する作品だった。映画のいいところは当事者の気持ちに寄り添うための心の奥行きや、しっかりと自分の頭で考えるきっかけになる所だと思う。是非作品を通してララの繊細な美しさを感じとってほしい。
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『Girl』-Lukas Dhont 2018
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