Violet

グリーンブックのVioletのネタバレレビュー・内容・結末

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

Being genius is not enough, it takes courage to change people's hearts.

▼時代背景
本作で描かれているのはジムクロウ法が罷り通っていた1962年のアメリカ。
※ジムクロウ法(Jim Crow laws)とは
1870年代〜1960年代まで効力を有したアメリカ南部における人種隔離の規則・条例。
当時黒人は公共施設、公立学校、病院、待合室、レストランなどで白人から隔離されており、公民権さえも実質的に剥奪されていた。

南部と北部で差別のレベルが大きく違うことは知っていたけれども、作品の中でShirleyがスーツの試着もバーに入ることも許されず、警察で裸にされているシーンを見て本当に胸が痛くなった。

▼人種が違えど同じ「人間」
TonyがShirleyと出会う前までは黒人差別主義者であったことは事実らしく、ツアーを通して心を通い合わせていく過程には胸が熱くなった。結局、黒人であろうが白人であろうが黄色人種であろうが、ひとりひとり生身の人間なのだ。向かい合って話すことで、相手が自分となんら変わらない「人間」であることを理解できる。黒人差別主義者であるTonyを運転手に任命したShirley。
Shirleyの大きな大きな勇気がTonyを動かし、結果このような作品が生まれ多くの人が心を動かされた。

▼”はぐれ黒人”
Shirleyは黒人ではあるが、カーネギーホールに居住していて(これも事実で実際に50年以上住んでいた)ピアニストとして国中を回っていた。見た目は黒人、だけど仕事は一流でもちろんお金にも苦労はしていない。それ故に黒人のコミュニティからも白人のコミュニティからも「お前はこちら側ではない」という態度を示される。WHAT AM I ?? Shirleyの悲痛な胸の内が苦しかった。

▼好きなシーン
・Shirleyが初めてケンタッキーを食べるシーン!車の外にチキンの骨を投げ捨てるTonyの真似をして楽しんだShirleyだけど🦴、最終的に戻って拾いなさいっていうのもShirleyらしくてまた良い💓
・Tonyに代わってShirleyが手紙の代筆をしてあげるシーン✉︎しかもDoloresは気づいてたんだなあっていうのも🥺良い🥺
・Orange Birdのジャズセッション!Shirleyの音楽に対するリスペクトの姿勢も素敵(ピアノの上にお酒のグラスが置いてあればそれを床に下ろしてから演奏を始める等)。
・Tonyをクリスマスまでに家族に会わせてあげるためにShirleyが運転してあげるシーン。心温まるラストシーンにもじーんときました。
Violet

Violet