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グリーンブックのMinCのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.0
あったまる。ホリデーシーズンにピッタリの粋なジョークに彩られた作品(日本公開は3月になったけど)。

『それでも夜は明ける』や『デトロイト』等、堪え難い苦行的残酷描写の続く人種差別テーマ映画、はたまた『ゲット・アウト』のように笑いのオブラートに包まれているかに見えて空恐ろしさの増す作品、キャストがひとりを除いてほぼ黒人のみの『ブラック・パンサー』(マーベル作品の快挙)、さらに日本公開間近『ブラック・クランズマン』と、
アメリカのおもに黒人に対する人種差別テーマモノ(ザックリ括りですみません)全盛期かと思われるアメリカン・アカデミー界隈において、
まったくスタンダードな、これぞ映画、といった作りの安定感。なのに、新しいアプローチにも感じる頭ひとつ大人感。(これまでのピーター・ファレリー作品からしても、だいぶ大人感)


ピアノの才能に恵まれカーネギーホールの上階に住み、裕福で教養があり上品な立ち居振る舞いの紳士
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生まれも育ちもサウスブロンクスで、イタリア訛りのブロークン・イングリッシュ、乱暴でガサツで人情に厚い下町っ子
=
お互いが少しずつ認め合い信頼を築いていくバディもの、心温。

差別描写、暴力描写は最小限。南部では本当はもっと酷いめに会ってそうだし、過酷な労働を強いられていた南部奴隷たちからの逆差別もあったかもしれないし、身の置き所のなさ、孤独は相当なものだったろう。(その孤独こそが素晴らしい音楽を生んだとも言えるのかも?)

ラストのクリスマス・パーティに
質屋夫婦(おそらくユダヤ人?)、そして…
ファミリーの歓迎に、あの素敵な手紙が大いに役立った。心からメリー・クリスマス🎄💫(3月だけど)
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