矢吹健を称える会

狼チャイルドの矢吹健を称える会のレビュー・感想・評価

狼チャイルド(2017年製作の映画)
3.5
 細田守作品に寄せていってこうなったのかもしれないが、却って興味がそそられなくもないような、おそろしく雑な邦題である(英題は『Good Manners』で、こちらは原題に近いのだろう)。売る気がないのか……?

 前半の端正な語り口と画面の美しさが際立っている。イザベル・ズアの肌に落ちる光が素晴らしい。ちょっとブレッソンとかを思わせる瞬間もある。後半のCGにはチトがっかりするし、このあたりから物語が弱くなるという印象(「肉を食べること」の、禁忌としての描かれ方がよくわからない)。しかし残酷寓話として、きちっと人を殺すあたりは全くもって正しいと思う。