クリーム

ザ・ハント ナチスに狙われた男のクリームのレビュー・感想・評価

3.9
実話ベースなのだけど、戦闘シーンはほぼなくて、ナチスからの過酷な逃走劇。死や拷問と隣り合わせなので、緊張感やハラハラが留まりません。壮絶な逃走中、自分での足指の治療は、結構凄い。地味だけど見応えがあり、良かったです。

1943年、スコットランド。イギリス軍の訓練を受けたノルウェー兵が、祖国で妨害作戦を決行。12人の隊員が極秘裏に任務を遂行したが、作戦に関わった12人のうち、帰還したのはヤン·ボールスルド中尉1人だった。そんな彼の凄まじい逃走劇の一部始終が描かれます。



ネタバレ↓



当時、ノルウェーはドイツ占領下でした。ドイツ軍のノルウェー要塞から、機密情報を盗み出したヤンは、極寒の川へ飛び込み、右足の親指を撃ち抜かれながらも逃げた。彼以外は、捕まり12名中1名いない事を知ったドイツ·指揮官のクルト·シュターゲは、プライドにかけ、執拗にヤンを追い掛けます。
ヤンは、船に乗る地元住民に制服がノルウェー兵だったので助けられた。その後、産婆は足の応急措置、若い夫婦も助けてくれた。それから逃走中、雪崩に巻き込まれ重症に…。しかし何とか歩き続け、グロンヴォル農場のマリウス兄妹が手厚く看護しながら匿ってくれました。そこにクルトがやって来るも危機一髪で見つかりませんでした。危険なので近隣住民が力を合わせ山小屋に移動させます。その間、足の指が壊死し初め、ヤンが自分でそれをナイフで切り取る。このシーンは、悶絶します。
山小屋生活から12日が過ぎ、スウェーデンへ逃がすべく動き出します。
ヤンをソリに乗せ、男4人で険しい山を越えるも、次の協力者達が来なくて、計画がずれ込みます。岩の下に滞在してから10日後、ようやく協力者達が来ますが今度は吹雪で動けず、最後はトナカイに紛れて、ソリで国境を脱出。しかし、ギリギリでトナカイとソリが外れ絶体絶命に。あわやと言う所に奇跡的にトナカイが現れ、再びソリを付けて、何とか脱出に成功するのでした。

実話系の作品でありながら、緊張感の演出が上手く最後の最後までハラハラしました。どう考えても奇跡な話ですが、ナチス関連は絶望的な作品が多い中、こちらは過酷だけどラストに逃げ延び、手を貸してくれた人達も、生き延びているのが良かったです。
ジョナサンは、やっぱり、こう言う冷徹な役が似合う。
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