塔の上のカバンツェル

フロントランナーの塔の上のカバンツェルのレビュー・感想・評価

フロントランナー(2018年製作の映画)
3.7
どこの国の人々も、歴史のifに想いを馳せるものだと思うけど、
半分のアメリカ人(つまり民主党員)にとって、1988年の彼が何故もしあの時と想われる人間だったか、そして何故ifになってしまったのか、断片だけでも知れる良作。

それぞれの登場人物が何かしらの矛盾、ジレンマを抱えたまま、あの3週間の出来事に幕引きが図られるわけですが、

ゲイリーハートは結局、身を引くしかない状況に追い込まれ、マスコミはその領分を軽蔑していたゴシップに溢れるネット記事に奪われつつあり、そしてアメリカ大統領選挙は娯楽まがいのスポーツとなってしまった。

三者三様で自滅の様を描く、皮肉が効いたまず風刺映画だった