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いろとりどりの親子のYRFWのレビュー・感想・評価

いろとりどりの親子(2018年製作の映画)
4.2
様々な親子の形。
人とは違いがあるこどもの姿。

劇中に登場する違いは、障害が主となっているが、多様性に溢れる世の中にあって違いはどの家庭にもあり汎用性のある話だ。
「多様性は素晴らしい」というのが社会の流れであり、風土にしなければならないという雰囲気が漂っている。ただ本当に受け入れる気があるのかと問われれば疑問が残り、多様性に対する受け皿は社会的に全く足りていないように感じる。
そして多様性は苦しい。受け皿が小さいと述べたがいくら間口を広げたところでそれには収まりきらないからこそ多様であり、予想の範疇は超えてしまうことが多くある。そんな時に我々は対応できるか。答えは間違いなくノーだ。全てに対応できてしまう人生なんてイージーすぎる。

社会の大きさは違えど、人間は生きていれば多様性に遭遇し困惑する。それがいい方向に進む場合もあるがトラブルを生んでしまうことも経験あるだろう。
映画ではそれが障害をもったこどもだった。彼らは不幸にも障害を持って生まれてきてしまったが、映画では障害ありきの不幸話ではなく本人や家族の人間観に迫ろうとしている。

多様性と共に人生を受容することこそ、人間にとっての幸せなのではないか。多様性と生きる社会という綺麗事ではなく、多様性と生きることは苦しいがそれが人生であり人間の性と考えるほうがよっぽど楽で実りあるものになると考える。
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