ちろる

19歳のちろるのレビュー・感想・評価

19歳(2018年製作の映画)
3.4
20歳で死ぬものだと思ってたサキ。

わたしには未来がないし、将来の夢なんかない。

誰のことも理解しようとしなかったし、誰もわたしのことを理解してくれないから、友達と衝突する事が沢山あり、それでもいいと思ってる。それは20歳で人生終わるから。

漠然とした生の終わりを語っているけど、彼女の中に暗さは全くない。
それは、サキ自身がただ大人になる事から逃げていて本当は死なないって分かっているからだと分かってるから。

大人になって色々と決められていくのが怖くって、自分の中でなんか言い訳になりそうな事を探すこの大人と子どもの境目。
サキがカメラに手を取ったのもその言い訳の一つだったんだろうけど、趣味って皮肉にもそんな何かかは逃げる時に生まれたりすることあるよね。

自分なんかよりもっと危うい存在の友人をフィルター越しに見つめる。
夕陽越しの彼女はきれいだったけど、2人はもう会うことはないのかもしれない。

自分語り続けていたのに、その語りがフェードアウトしていて、セミドキュメンタリーっぽい感じの風味も挟みつつ、サキがいつのまにか20歳の現実を生きてい言って演出が上手い。
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