千里

ジョーカーの千里のネタバレレビュー・内容・結末

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

■◎>○>□>△>×
・オススメ度:◎
・面白さ:○
・好み度:○

■感想
DC映画最新作(DCEUとは無関係)にして、公開前から海外での高評や賞を取ったりと話題の作品。有難いことに、この度丸の内ピカデリーに新しくオープンするドルビーシネマでの試写会(Filmarksさん経由で応募。選んでいただきありがとうございます。)に当選したので観賞。バットマンのヴィランとして名高いジョーカーを主人公として、彼が何故ジョーカーになったかまでを丁寧に描く誕生譚。評判通りの傑作と言わざるを得ない。

世間で名高い「ダークナイト」ではジョーカーの魅力が存分に描かれてはいるが、誕生までは描かれておらず。また、89年版バットマンでは誕生は描かれているものの、深くは掘り下げられておらず。そんなこんなで何故彼があそこまで秩序を乱し"混沌"を求めているのかはよく分からなかったが、今作ではその理由がしっかりと描かれており納得。ジョーカーは社会によって生み出されたのだと。

人の為と思って一生懸命働いても、貧困層には冷たい社会。彼が言うように道端でのたれ死んだとしても、他人を気にせずに踏みつけるであろう人々はきっと現代の日本にだって沢山いる。勿論フィクションの物語ではあるけど、自分のことばかりでなく他人のことも気にしてあげれるくらい余裕のある世の中にならなければ、現代の日本でだってジョーカーが生まれてもおかしくないと思う。と、ここまで思わされてもまぁ全部茶番なんですけど…。

最後に。人の為に働いても、冷たくあしらわれ、笑い者にされ、理不尽な災いに降りかかられ、愛していた母親にも裏切られていたら。そんな絶望のどん底にいる人間を全身で見事に体現したホアキン・フェニックスに拍手喝采を。自らの血で口元を描き、混沌の中心で佇むジョーカーのかっこよさよ。



以下、ドルビーシネマの感想

没入感はIMAX以上と高い評判のドルビーシネマ。この度初めて体験させてもらったが、他の上映方式との一番の違いは、評判通り暗さだと思う。映画は基本真っ暗の中上映されるが、真っ暗でも多少は見えるもの。しかしこのドルビーシネマは真っ暗のシーンでは本当に何も見えないくらいに真っ暗なので、余計な視覚情報がカットされて映画への没入感が増すという感じ。スクリーン の光の反射も最低限に抑える為にシートも光の跳ね返りにくい黒めの色にされている。席と席は詰め詰めな感じもなくゆったり広めで快適だったし、通路も広いのでストレスはなかった。基本的にドルビーアトモス音響と、ドルビービジョンスクリーンが合わさったものをドルビーシネマと言うんだそう。
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