千里

碁盤斬りの千里のネタバレレビュー・内容・結末

碁盤斬り(2024年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

トレイラーに惹かれて鑑賞。白石和彌監督作だったのね。清廉潔白であることは常に正しいのかどうか?というテーマ。いついかなる時でも正論を振りかざす人は個人的に苦手なので、結構自分寄りの考え方の映画だったのかなと思う。その上で碁打ち2人の関係性が素敵な映画だった。

人生生きていく上で清廉潔白に生きることは素晴らしいことだと思うし、自分自身そう在りたいとも思うけど、強くそう在り過ぎると周りに思いやりがないと感じられてしまう弊害もある。勿論顰蹙を買う側は自業自得でそうなっているので、清廉潔白に生きている人を非難するのはどうかと思うけれども。

清廉潔白に生きたが故に城を追放され、奥方も最悪なことで命を落として、娘と2人貧相な暮らしをしなければならなくなっている状況。こんな状況になっても清廉潔白に生きることを第一に考えているところは誇りを持って生きているとも取れるけど、単に生き方が下手なのかなとも。それでもその清廉潔白さに感化されて良い方向に変化している周りの人間も描かれているので、決して間違った生き方ではないと思う。

また終盤あれだけの状況になっていながら、碁盤を斬って水に流してまた何もなかったかのように友達に戻れるのは凄い。時代なのかな。現代だったらもう二度と関わらずに生きていく人が多い気がする。今度は自分の清廉潔白さによって(自業自得だけど)貧しい暮らしをする人たちを救う旅に出てしまった主人公だけども、まだ終わっていない打ち掛けの一局がある限り2人の関係性は続いていくのかな、なんて。
千里

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