拘泥

ジョーカーの拘泥のレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
3.7
まあ結構良い映画やがとりあえず昨今のアメコミ映画出たらとりあえず興奮のまま異常な評価与えてしまう癖なんとかせえ。そこまでこれしかないという映画ではないだろう。あとジョーカーはバットマンのVillainなんだよね。そういうアイコンなこと忘れてねえか。

まあ参考文献として当然アランムーアのキリングジョークとウォッチメンと…
「不可解だと?なぁ聞けよ…世の中何もかも冗談にすぎねぇとしたらどうする?答えは決まってる。コメディアンになるしかねぇだろが。」つってコメディアン、エドワードブレイクの超重要発言ねぇ。でもこいつはあくまでエドワードブレイクって傑物っすからね。そこんとこよろしくね。
あのね、心優しかった普通の男、な訳ねえからな。トラヴィスより悪いんかな。なんかそこんとこ勘違いしてる人多い気がするんですけどもどうですか?ただあなたたちが鋳型に嵌めた二元論にしたがわせたいだけってことはないですか?あのね、誤解を恐れず敢えて言わせてもらいますけどジョーカーは普通に、敢えて根源的な問いかけを避けて現実実践に根差して言えば、とんでもなくトチ狂っていますよ。内発的にね。もちろん相対的に我々がなり得るとか言うのはわかるけど世はシームレスっす。ジョーカーか非ジョーカーかではないわけで。この物語は虚実だってはっきりしないし。
あともちろんそれもトチ狂わされた、なんだけどさ。ただ余りにも視野が狭いのでは?というのはどこまで還元するかっていうのはとんでもなく深淵な議論やからさ。構造主義のニヒリズムとどう格闘するの?全ては運ゲー?とかそういうのってすげえ考えないといけないんだよね。この映画見てどうこう言うけど、この映画がない時から別に世界は変わってないからな。実際は似非ジョーカー似非コメディアンが怖いっすよね〜。うじゃうじゃおるからね〜。でもそれもまた、って言い始めるとねーまた。安易な左翼化は危険だよ、身体があるからね人には。私はどちかというと左翼ですが。

以上このホアキンフェニックスに与えられない男優賞ってなんだよってぐらいホアキンフェニックスが尋常でなく美しかったです。
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