拘泥

永遠の語らいの拘泥のレビュー・感想・評価

永遠の語らい(2003年製作の映画)
4.1
通行人がやたらカメラを見てたけどどういう撮影?
超絶な美しさと共にそこはかとない言葉の嫌さ、ここに居たくなさ、息苦しさを感じる行儀。何かが美しければ何とか繋がれる。歴史・外界を追うその過程でとりわけ長い尺を取るジョン・マルコヴィッチの出る愛と言葉と文明と歴史の長い会話、永遠の語らい、このなんとも言えなさ。若く美しい知性に群がる雄をバランバランと出して話すことは楽しいだなんだと、氾濫的知性の95歳のオリヴェイラがこれを撮る事に、普段作者の意図など勝手に読むからどうでもいい俺だが、本人にどんな意図があったかを聞きたくなってしまう。嫌さがありながら、暴力を上回る嫌悪感で確実に否定できる様な不思議な。
そして足りなかった物、言葉歴史教義、物の引き起こす死、人形人間、その慈愛、見るなのタブーを犯した人間はろくなことにならない。こうして彼女らは歴史になってしまった。文明は滅びゆく。
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