FrankTannock

ジョーカーのFrankTannockのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
5.0
まぎれもない傑作だと感じます。
ただ、この作品を観て、その根底にある感情を自分の中に入れてしまっていいのか、未だにわからないです。
手放しでジョーカーとなった主人公を受け入れていいのか。その前に考えなくてはいけない事がたくさんあるはずなのではないのか。
「人生は遠巻きに見ている分には喜劇だ。近寄ったら悲劇でしかない。」とモダンタイムズで主人公を演じたチャップリンは語った。そして、この言葉をアーサーはジョーカーという形で体現してしまった。
けれども、チャップリンの言葉には孤児院で育ちながらも生きることを諦めなかった人間としての意思がある。悲劇を生き抜いた人が喜劇を渇望するからこそ、この言葉に力が宿ると思う。
だからまだ、この作品を肯定していいのかまだわからない。
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