ネジさえ外れればどんな世界だって生きやすく
この映画は勧善懲悪のヒーローものではない。立ち上がる過程を失い、そのまま沈んでいった男の話です
ピンチに駆けつけてくれるヒーローなんていないし、いても敵としか認識されない
アーサーの妄想癖には観客どころか本人さえも翻弄し、全てを混乱へ導きます
自分は壊れている、そう理解するには何かきっかけが必要なんです。『不幸な男』が『犯罪のカリスマ』へと変貌する様は圧巻
ホアキン・フェニックスの演技は言うことなしです。完璧すぎた
例の階段ダンスシーンのほか、予告編にあって見慣れたはずのシーンでさえも見とれてしまうほどの迫力
ヒーローもいなければ大々的に使われるCGも無いのにここまで迫力のあるアメコミ映画を撮れるのは流石としか言い様がない
↓ネタバレになるかもしれない文
『ジョーカー』でなければ佳作という意見もありますが、自分はジョーカーだからこその作品だと思います
というかそれ言ったら全ての実写化作品が死んでしまうので…
他の『ジョーカーのオリジン』を取り扱っているコミックにあるような内容なんですが、ジョーカーが語る己のオリジンって真実かなんて分からないんです。イカレポンチの言葉だぞ
どんなオチであってもジョーカーだから最後に何かどんでん返しがあるかもしれない、そんな真偽の不確定要素が加わることによって、現実という地獄に付け込まれたジョーカーの不安定さがより深まるのではないでしょうか
何言ってるのかよくわかんねえな
