「理想があったから。」とか、「何者かになりたかったから。」、みたいに能動的なものじゃない。
でも、「こうするしかなかった」という受動的なものとも違う。
ただ、「そうなった。」という事実があるだけ。
誰しもジョーカーになる可能性を秘めているだけでなく、誰しもがジョーカーを作り出してしまう可能性を秘めていることを心に留めておかなければなりませんね。
ホアキン・フェニックスが演技とか役作りとかの域を超えていました。
今作を見て気付かされたのですが、ピエロって笑っているとも、泣いているともとれるメイクですね。
本来人を楽しませるはずのピエロに恐怖を感じるのは、笑顔の下に何か目を逸らしたいものを感じるからなのでしょうか。
今見ているものを喜劇として見るべきなのか、はたまた悲劇として見るべきなのか。
道化師を演じる側も、見ている側も、その見極めを間違ってはいけませんね。
ピエロの起源ってどこなんでしょうか?
ちょっと調べてみようと思います。
演出もおしゃれで魅力的で、上っているのか下っているのか分からなくなる階段のシーンが印象的だったな。
喜劇と悲劇は表裏一体。
喜劇王チャップリンと同じ魂を持ちながらも、ずっと重くのしかかる映画でした。