このレビューはネタバレを含みます
ジョーカーがいかにしてジョーカーになったかという映画
「あなたの幸せな笑顔が皆を楽しませる」
という母親の言葉が、実は子供の頃に自分の彼氏がアーサーに対して虐待するのを黙認するも、アーサーはなぜか笑顔だった。そのハッピーさがきっかけで虐待を加速させたという事実があるんだと思った。
トーマスウェインと母親の付き合いはたしかにあったのだろうし、実子なんだろうなという感じはしたけど、全てウェインが悪いわけではないと感じた。
だが彼と母親の関係性がきっかけで、愛の薄い人生を送り、結果として父親にハグもキスも求めることのできない人生に。
人を幸せにと思っても、気味悪がられ避けられ、自分が不幸になるばかり。
次第に周りを憎むようになる、という、かなり論理立てて丁寧な説明はされていた。
が、どんなにきちんと説明をしても、コメディアンのマレーの番組で突っこまれていたが、彼の殺人の説明にオチはない。
だが殺人の言い訳にはならないというオチはつけられてしまう。
大人になったハッピーは、かつてそうされたように、自分の不幸を糧に街を虐待する。
しかし、もう悲劇ではない。自分が幸せで笑っていれば、周りも幸せ。
これからは喜劇になるのだ。