あかつか

にっぽん昆虫記のあかつかのレビュー・感想・評価

にっぽん昆虫記(1963年製作の映画)
5.0
「売春、売春って言うけど、競馬競輪と違ってタダで金とるわけじゃないんだ」

左幸子が、裏切り、裏切られ〜の半生を、スターウォーズ並みに壮大に描いた人間ドラマ。“女三代”だが、山の神様が女ということで、女百代なのかもしれぬ。

貧しい農村で生まれ、地主に嫁に行き、戻り、工場で働き、組合で婦人部長をやり、米軍のメイドをやり、新興宗教に浸かり、その縁で(?)売春宿で女中頭となり、ゆくゆくは女将になるんだが、順風満帆とはいかず。

農村パートと東京パートの入れ替わりが心地よい。田舎独特のブラックユーモアみたいのと、ひたすら貧乏ってのが、日本人のDNAなんじゃないかと思う。

ベルリンで女優賞とった左幸子はもちろん、浄土会幹部の殿山泰司とか、戦争で家族を亡くした韓国人の小沢昭一とか、売春宿の女将の北林谷栄とか、裏オールスター。
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