ぶみ

カプリコン・1のぶみのレビュー・感想・評価

カプリコン・1(1977年製作の映画)
3.5
300億ドル…世界最初の有人火星宇宙船が秒読みに入ったとき、3人の宇宙飛行士が消えた!

ピーター・ハイアムズ監督、脚本、エリオット・グールド主演によるドラマ。
人類初の有人火星探査を目的とした「カプリコン・1」が、実は無人で打ち上げられることとなる様を描く。
「カプリコン・1」に乗るはずだった3人の宇宙飛行士をジェームズ・ブローリン、サム・ウォーターストン、O・J・シンプソン、打ち上げ計画に疑問を持つ新聞記者をグールドが演じているほか、ハル・ホルブルック、カレン・ブラック等が登場。
物語は、冒頭、ロケット打ち上げのカウントダウンが始まる直前に3人の宇宙飛行士が船内から連れ去られ、どうなることかと思いきや、そのまま有人と見せかけて打ち上げられるという、中々度肝を抜く設定でスタート。
以降、そこに隠されたNASAの思惑や、無人であることがバレるのではないかという緊張感が張り詰めたサスペンス調で進行、そして途中にはグールド演じる新聞記者のクルマが暴走するというカーアクションが挿入されたり、終盤には飛行機とヘリコプターのドッグファイトがあったりと、どこに物語が着地するのか全く読めない展開となっている。
加えて、数多くの作品を手掛けてきたジェリー・ゴールドスミスが本作品でも耳に残る劇伴を奏でているのもポイントの一つ。
ややもすると、アイデア一発的な作品となりそうなところ、リアリティとフィクションの狭間を絶妙なバランスで行き来し、社会派サスペンスとしても、アクションとしても楽しめ、思いのほかと言っては失礼だが、想像以上の面白さを誇る一作。

いつから夢に値段が付いたんだ?
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