キモサベ

長いお別れのキモサベのレビュー・感想・評価

長いお別れ(2019年製作の映画)
3.1
2007年、厳格な男が認知症に・・・70歳の誕生日に妻は呼び寄せた二人の娘に伝えます
そこから、家族の長いドラマが始まります

勝因はズパリ、中野量太監督さんにあったのかと
派手さ、過度な演出、余計な脚色・・・等々、映画にありがちな“奇をてらう”ことを廃したのでしょう、逆に好感を持てました

自分などが偉そうに言えないのですが、本作は観ていて“恥ずかしい”くらいに、“寄り添う”ことに徹した作品でした
さらに、その寄り添うことの難しさ・・・近い存在であればあるほど、きれい事ではすまない“現実”が見て取れました
そんな寄り添いを認知症、介護といったテーマに上手く投影してくれたと思います

話題性、興行・・・は映画業界ならば当然のこと、もちろん理解できます
が、何十本に一本ぐらいは、こうした“箸休め”的作品に向き合わないと・・・ね

【追伸】
本作ですが今回(2023年7月)・・・と、かなり遅れてのレンタル鑑賞となりました
ご承知のとおり、女優竹内結子は2020年に帰らぬ人となってしまいました

自分的には、一つ一つの作品に真面目に向き合うことの出来る、そしてその真面目さが伝わってくる女優さんだなぁ、とお見受けしておりました

今回彼女の演じた役どころを思うとき、実生活で「寄り添える人、居なかったのかなぁ」などと余計な想いを巡らせてしまうのでした
キモサベ

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