平田一

十二人の死にたい子どもたちの平田一のレビュー・感想・評価

1.6
勿体無い映画だった。

"自殺"にまつわる物語、原作が『PSYCHO-PASS 2(シリーズ構成のみ)』が面白かった冲方丁の原作ということで、ちょっと気にはなったけど、監督の名前のせいで、嫌な予感がスゴくした。

的中。こんな人に監督させちゃいけなかった。

"死"を扱う話なのに、安っぽいBGM(ここでの意味は音楽におんぶにだっこなことを指す)、ドリーミィーなタッチの場面が軽薄で気にくわない。"死ぬ"というのを監督は小道具程度に思ってるの?と、思わずにはいられないほど、ボクはセンスを疑った。役者陣は悪くないし、特にセイゴが面白かった(口は悪いけど、兄貴肌で、一番友達になりたいキャラ)。あと高杉真宙さんも「鎧武」の頃から良い役者さんだなあとは思ってたけど、ここでの不敵なキャラクターもとても良いと思いました(それ故に監督は、別の人にして欲しかった)。

あといちいち悲しみ強調させるの止めて欲しかった。原作は文字だから、音は各々だろうけど、何でやたらと悲しさ強調音楽なんだ?ワケわからん。こういった題材を多層的に描いていけば、それこそ議論が大いに生まれる良い映画になれたはず。ラストの挙手やお別れシーンもこれよりもっと出来たはず。扱いがヘタな人だとこうまでなるとは嘆かわしい。

"真の主役"を明かした場面は中々面白かっただけに、いつか別の監督の手で再映画化してほしい。
平田一

平田一