何かぐちゃぐちゃなものが流れ込んでくる。
わけわからないけど、この映像・世界観に釘付けになっていました。
食い気味食い気味に展開する演劇のような会話。
目まぐるしく移り変わる映像。
フラッシュバックするフィルム。
鳴り止まないBGM。
SFみたいに無機質な舞台。
明らかに異質なものに飲み込まれたのに、気づけば魅了されている自分がいる。
全てが作り物みたいで、浮世離れしていて、空っぽな人形が宇宙人の中に放り込まれたみたい。
恋愛映画なはずなのに、もう難解なSF映画でした。
最初は、棒みたいな堀未央奈の演技が違和感しかなくて、無理かもしれないなと思ったけれど、見終わってみると、この散文的でSF的な映画には堀未央奈以外いないとさえ思いました。
整理されていない音楽とセリフやシーンのテンポのちぐはぐさ、ぐちゃぐちゃさに気持ちが悪くなるけど、目まぐるしく変わる映像に魅入ってしまう。
これが女の子の気持ちなのでしょうか？
ついていけません。
正直、会話は全然理解できなくて、誰にも共感できなかったけれど、感情と言葉と感性が整理されていない「わからない」気持ちは少しだけ体験できた気がします。
ハッとさせられる映像に魅了され、明らかに新しく革新的なものに触れた感覚だけは確かに残っています。
お約束を壊して、映画の限界に挑戦するような作品でした！
