このレビューはネタバレを含みます
児童文学作家に対しての「何故あなたは子供の気持ちがわかるのですか?」という質問について、何も知らないと、天真爛漫でいつまでも子供のような明るい人だからっててっきり思っちゃうけど、そんなことは全然なくて。
むしろ逆で。
16歳という若さで母親になり、しかも相手はかなり年上で既婚者、離婚裁判中。さらに驚きなことに友達の父親。。。その男は裁判中でしかも、逮捕されるかもしれないという状況で、いっしょにいることはできず。
1人で子育てできる環境も経済力もなく、泣く泣く子供を預け、いつ引き取りに行けるかわからない。
若い時代にそんな苦難を経験していて。
天真爛漫でいつまでも子供のような心を持っているとか、そんなことは全然なくて、むしろ普通の人より早く“大人”にならざるを得ず、なってしまった人だった。
この映画がどの程度事実に基づいた話なのかは分からないけど。
この映画でうーんと思ったのが、相手の男について、ただの気の迷いで手を出したのかと思いきや、ちゃんと誠意は持っていて、アストリッドのことも子供のことも見捨てようとすることはなく、愛は感じられて。
でも、そうなるまでの過程があまり書かれていなかった気がして、誠意や愛がある割には唐突に感じられた。
あとさいご、実家の家族と息子と一緒に教会に行って、男と目が合って微笑むけど、どんな心境なのって思った。
しかもその男の隣には娘(同世代の友達)も座ってて。。。
普通なら気まづいとか、多少なりとも恨みや後悔みたいな感情もあるんじゃないかと思った。アストリッド清々しすぎない?
んーむずかしい。
後に出会う男性はとても素敵な人で、その人との物語は映画の中のフィクションではなくて、アストリッドの人生の出来事であったら良いなと思い、作家として有名になった彼女が“リンドグレーン”だったってことは、きっとそうよね。そうだといいな。
アストリッド役の女優さん初めて見たけど、個性的でありながらとても可愛くて良かった。
おさげにベレー帽なファッションも似合っていたし、髪を切ってソワソワしてる時の表情なんかもかわいかった。
でもいちばんのお気に入りはダンスパーティーのシーン。好き勝手に踊ったって、女同士で踊ったっていいじゃない。
スウェーデン語の「おやすみ」の発音がとても可愛かった。