いずぼぺ

プライベート・ウォーのいずぼぺのレビュー・感想・評価

プライベート・ウォー(2018年製作の映画)
3.7
英国🇬🇧サンデー・タイムズ紙の戦場特派員、メリー・コルヴィンの生き様を描く。

タイトルの「The Private War」にあるとおり、彼女自身の戦場に赴く魂の戦いのドラマであり彼女が戦場から伝えようとした戦地で生きる人々や理由もなく命を落とした一人ひとりの物語をすくい上げようとした戦いのドラマである。
ロザムンド・パイクはもちろん美人だが、実際のメリーさんもかなり端正なお顔立ちの美人さん。スリランカで負傷してからの眼帯がその端正な顔に言い得ぬ鋭さを与えている。
極限の中で長く生活していると、平穏な生活が息苦しくなるのかもしれない。戦場でしか自分らしくあることができない自身とひたすら平穏な生活を望む戦争に巻き込まれた一般市民の間で彼女の魂はいつも苦しかっただろう。
だからこそ戦争の大義ではなく巻き込まれた一般市民、特に女性や子どもたち、親子のそれぞれのストーリー、それぞれのプライベートウォーの物語にこだわったのだろう。前線から遠く離れたところで決まる戦局や政治などではなく正義も大義もない中で、無惨に失われていく命に目を向け、世界に伝えたかったのだろう。

これは歴史の粗いデッサン

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