さよなら僕のマクガフィンたち

ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREYのさよなら僕のマクガフィンたちのレビュー・感想・評価

3.6
クライマックスの戦闘シーンで、ハートの「バラクーダ」が流れるのが本当に良い。

『スーサイドスクワット』で唯一よかったのは、マーゴットロビー演じるハーレイクインだった。彼女のスピンオフ映画。マーゴットロビーが製作にも関わり、女性主要キャラクタを複数登場させるのも彼女からの指示だったと聞く。

全体的にノリは軽い。ハーレイクイン自体軽薄で生意気なので、そのテンションに乗ると映画全体も軽くなるのであろう。その点では頭を使わず楽してめてエンターテイメント映画として良い。
ただやはりミートゥー以降の流れも汲んでいて、女性の権利。というか、支配や男性との共存関係からの自立ですね。登場する女性全員がその手の支配(ブラックキャナリー)もしくは男性社会から搾取(刑事のレニーや悲惨な過去を持つハントレス)されていたりして、彼女達ががっちり手を組み男たちをぼこぼこにする作品でもある。
主人公達以外でも、ブラックマスクがレストランで女性客に対して服を脱がせるシーンとか、マジで最悪ですよね。そういった仕打ちの一つ一つに男性から女性への暴力性みたいなものが描写される。
この作品の白眉は、ブラックマスクに殴られた後に、ハーレイクインがマリリンモンローの格好をするシーンですよね。キャシー・ヤン監督が前半時系列をごちゃまぜにしたのも効果的に効いていて、マリリンモンローのシーンを急に挟まれることで有無を言わさずそのシーンを受入れざるを得ないような強力なサブリミナル効果であり、うーん根底に流れるテーマが一貫しているんだよな。
キャシー・ヤン監督恐るべしといったところ。
映画のオチというか、私のためにやっているに過ぎないっているのもハーレイクインらしくて良い。マーゴットロビー本当に良い。