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アド・アストラのおんのレビュー・感想・評価

アド・アストラ(2019年製作の映画)
3.9
Ad astra

人類以外の知的生命体を探索するために、太陽系外の海王星まで旅立った父クリフォードと30年前に別れた息子ロイ。
彼への憧れからか同じ宇宙飛行士の道を選び、父が関連していると思われる災害に巻き込まれる。


・感想
宇宙!SF!という前提で行くと落差に驚き。
でもガッカリというわけでは全然無くてガッツリ重めのヒューマンドラマが、ブラピ会心の演技により繰り広げられるので個人的には大満足でした。

宇宙の映像美はかなりハイレベルで、後で調べてみてなるほど「インターステラー」と同じ撮影監督のホイテヴァンホイテマさんによるものとのこと。

細かい技術的背景とかのディテールは、インターステラー、オデッセイ辺りと比べるとかなり甘めな作りになっているため気になる人には気になりそう。

基本ブラピは感情を表に出さない人間を演じているため、何を考えているのか分からない人間なんですが、瞳や視線での感情感情が表現が素晴らしかったと思います。クライマックスの明暗の表現と心情とのミックスが美しい。

あまり語られてはいなかった所ですが、この映画内の地球は争いや金銭問題などが今の時代よりももっと酷くなっていて、それによって生じる厭世観みたいな物に侵食された存在の象徴がブラピであり、世の中のそういった部分の批判も映画根底のテーマとして存在しているのかなと感じました。
(それが宇宙飛行士に求められる半ばパーソナリティ障害と上手く絡められていたのはすごく上手い)
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