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クワイエット・フォレストのSoundtracksのレビュー・感想・評価

クワイエット・フォレスト(2016年製作の映画)
2.5
音楽:Carlo Ayhllon

【劇伴曲】
主に弦楽器で不協和音やドローンで嵐や風、厄災や終末などを表している感じ。音源が少ししかネットにないので全部きいてみたいところ。

【挿入曲】
Cachito de Sol - Agustin Lara
妹が病床でふせってるときに弟がかけるレコード。タンゴ・ボレロの歌謡曲。
歌詞は「あなたを愛しています。私の魂、私の人生」とかいう短い歌詞。


いろんなレビューサイトでわけがわかりません!っていうレビューを見かけたので気になって視聴してしまいました。たしかにわかりませんでした。
観ている最中はなんとなく全体像とテーマはぼんやりとはわかるのですが、決め手になる引用や象徴があるのか無いのか、自分のデータベースにないのかですっごくぼんやりと幕は閉じました。

なので海外サイトやインタビュー記事を何個か読んでメモします。
冒頭にロマン派の詩聖バイロンの「暗黒」の一節が読み上げられます。詩聖って字を初めて書いたかも。ネットにのってたのでそれを読むと、黙示録的な暗い詩で映画全体のムードと数種類の記号は同じです。
映像の構図や佇まいはフェルメール、カラヴァッジョ、レンブラントのルネサンスからバロックの絵画をお手本にしているらしいです。主人公の弟くんはカラヴァッジョの有名な絵の顔にそっくり!あんまりうれしくない発見です。服装は中世と現代を混ぜた感じです。
物語はコーマック・マッカーシーの「ザ・ロード」とタルコフスキーのあの感じをお手本にしたようです。なので表向きホラーとしつつ家族のドラマを描いています。社会(外界)不安や恐怖を父から子へ伝播しているような感じです。ホラー感はまったくありません、ホームドラマが始まります。家族愛。

監督が少年期感じた父親との関係を盛り過ぎていて、なんの説明もないし、その操り人形なんだよ!や瓶に虫いれるのはなーに?などいろんなものがハテナになりますが心情や感情の機微や雰囲気は伝わります。アイテムを通してなにか伝えているご様子です。でも確かな感じがしないのです。たぶんアートや文学の引用だとは思うけどそんな教養はありません。ホドロフスキーの息子がでているので、ややサイコマジックな雰囲気は味わえたのと「混沌こそが我が墓碑銘」というキンクリのエピタフな感じをおもいださせてくれました。しかしなんだかあんましかな…だってわからないんだもん、しょぼーーん。
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