MikiMickle

マスターズ・オブ・ホラーのMikiMickleのレビュー・感想・評価

マスターズ・オブ・ホラー(2018年製作の映画)
3.5
2018年アメリカ製作のホラーアンソロジー。

同名である、ロメロとアルジェントのオムニバス「 〜悪夢の狂宴」(1990年)、 及び2005年からの名匠13人によるホラーオムニバスドラマ…とは別の作品です。

しかしながら、「グレムリン」「ピラニア」のジョー・ダンテ、「スティーブン・キングのザ・スタンド」「シャイニング(テレビ版)」のミック・ギャリス、「ゾンビ革命 フアン・オブ・ザ・デッド」のアレハンドロ・ブルゲス、「30デイズ・ナイト」のデビッド・スレイド、「ミッドナイト・ミート・トレイン」の北村龍平という個性豊かな5人のホラー監督のオムニバス‼‼

原題は「Nightmare cinema」
まさにそれだった‼

ある夜、サマンサはひっそり佇む映画館を通りかかる。上映されているホラー映画の主役の名前が自分と同じ事から、誰もいないレトロな映画館「Realto」に足を踏み入れる…… 突然始まった映画…… そこに映し出されたのは、血みどろになって森の中を逃げ回る自分だった……(第1話)

というように、「何故か引き寄せられるように入った映画館で、自分自身が主役になってる恐怖の短編映画を主人公が見させられる」という5つの話。

ラインナップは次の通り。
・第1話“THE THING IN THE WOODS” 監督 アレハンドロ・ブルゲス
・第2話“MIRARI” ジョー・ダンテ
・第3話“MAS HIT” 北村龍平
・第4話“THIS WAY TO EGRESS” デビッド・スレイド
・第5話“DEAD”と、軸になる話は、ミック・ギャリス


それぞれの内容は多くは語らないけど、仮面男・SF・整形・欲望・悪魔憑き・背徳・ユーモア・自負・異形・狂気・謎・グロ・死・サイコ・殺人鬼・歪んだ愛などなどが、ソフトでありつつも恐怖が盛りだくさん‼
各々20分の中で表される個性はやはり面白い‼

個人的に1番好きなのは第1話‼‼ 古き良きスラッシャーでありつつ、変なのぶっ込んでくるわ、ブルゲス監督のコメディ感満載で楽しいったらない♥ 短い中でも起承転結があり、ホラーからのヘンテコ展開が笑いを含めて綺麗にまとまってて、まさに短編の良さが組み込まれてる‼ 溶接工男とか、物体Xなやつとか、楽しい♪ブフォフォ( ´థ౪థ)♡
ちなみにブルゲス監督の「フアン・オブ・ザ・デッド」は社会主義国家キューバを舞台にした、社会風刺とブラックユーモアに溢れたゾンビ映画ですっ♥

第4話は、摩訶不思議さとソリッドなクールさ‼スレイド監督独特のダークさが非常に面白かった‼‼ 過去作「30デイズナイト」の緊迫感と身を削るような氷の世界の恐怖とオリジナル漫画のモノクロのカッコ良さから、このまるでリンチの世界のような恐ろしい深層心理と畏敬のモノクロの世界が生まれたのかと思うと、つくづく映画監督って面白い‼ ゾクゾク痺れた♪これ、長編化して欲しい‼

3話の北村監督のぶっ飛んだ感覚はこのまま海外で突き進んで欲しいしっ‼ 正直、エンドロールまで、↑この4作目が北村監督かと思ってたわ。「ミッドナイトミートトレイン」になんか似てたもので。で、今回の北村作品は、とんでもないエクソシストぶりと展開に思わず爆笑してしまったわw
ジョーダンテの整形ものもジワジワ来るし、ミックギャリスも哀愁を感じた。どちらも80〜90年代の名監督であるが、古き良き映画から脱し続けているし、若手には負けていない意欲作でもあったと思う‼‼
もちろんあくまでも愛すべきB級オムニバスであるのだけど、単なるB級と言いたくない良作だったと思う‼わかりやすく言うとレベルの高い“世にも奇妙な物語”。ストーリーテラーのタモリ役をミッキーロークが演じてるけどすんごい無駄遣いじゃね?的な映画で(笑)、こういう世界に浸れてる時間がやっぱり心底大好きだ
MikiMickle

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