真一

テルアビブ・オン・ファイアの真一のレビュー・感想・評価

4.0
 悲運の国家パレスチナ🇵🇸の過酷な現実を、ユーモアたっぷりに分かりやすく
教えてくれる異色のコメディー映画🤣です。

 暴力的で傲慢なイスラエル軍尋問官👹と、機嫌を取ろうと必死のパレスチナ人脚本家😭。その奇妙なやりとりを見ていると、あら不思議、複雑なパレスチナ問題が何となく理解できた気分になってきます💡

 そんなわけはないんですけど🤭

 舞台は、イスラエル🇮🇱に抑圧されているパレスチナ自治区🇵🇸。当地では、イスラエル軍🔫に潜入したパレスチナ解放戦線の女スパイ🧎‍♀️の葛藤を描いたメロドラマ「テルアビブ・オン・ファイア」が大ヒットしていた。

 パレスチナ🇵🇸のみならず、イスラエルの人々も、テレビの前に釘付けだ。本作品は、この大人気ドラマ🎬️のシナリオが、イスラエル🇮🇱とパレスチナ🇵🇸双方のナショナリズムに翻弄され、大迷走した挙げ句にトンデモな結末を迎えてしまうおバカストーリーです🤭。

 そんな大ヒット作の脚本に携わるパレスチナ人青年🇵🇸👦がある日、イスラエル当局の検問所で足止めを食い、ドラマ好きの尋問官🇮🇱👹から「女スパイはイスラエル司令官とめでたく結婚するラストがいい」などと身勝手な難題を押し付けられる。

 言うことを聞かなければ何をされるか分からないという恐怖にかられた青年👦は、新たな筋書きを必死に書き上げ、尋問官👹を上機嫌にさせる。だが、物事がうまく進むはずはなく、青年の身に絶体絶命のピンチ⚡が襲いかかる。果たして青年👦は危機を乗り越えられるのか。そして、イスラエル🇮🇱とパレスチナ🇵🇸の双方が熱狂する大人気ドラマ🎬️の行方は―。あらすじは、ざっとこんな感じです。

 本作品を観て、高い塀に囲まれたパレスチナ自治区🇵🇸に入るのはいかに大変かが、よく分かった。イスラエル軍の検問所🇮🇱を通過するのは難しい。人間扱いされないのでメンタルをやられてしまいそうだ。ロス市警に麻薬密売を疑われ、路上で取り調べられる少年のような扱いを受けるのだから、たまったものではない。でも、この過酷さがパレスチナ🇵🇸の現状なのだと、しみじみ思った。「日常化した非日常」だ。だから、そんな厳しい日常を踏まえたお茶の間ドラマが生まれてしまうのだろう。

 同時に本作品は、血🩸で血🩸を洗う戦闘を繰り返すイスラエル🇮🇱とパレスチナ🇵🇸の間でも、言葉はしっかり伝わるという事実を示していると感じた。ハマスへの報復を名目としたイスラエル🇮🇱の地上侵攻作戦🔥を目前に控える中、言葉と対話を通じて事態を打開すべきだと訴えずにはいられない。
真一

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