ふじこ

ソン・ランの響きのふじこのネタバレレビュー・内容・結末

ソン・ランの響き(2018年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

両親を亡くして借金の取り立て屋をしながら孤独に生きていた男と、借金の回収で行った先の劇場で出会った役者の青年が最悪の出会いから徐々にお互いの事を知り、男は自分の過去との折り合いをつける…ってお話。

unextの説明にはボーイ・ミーツ・ボーイとかいう聞き慣れない説明がされていたけれど、普通に孤独な者同士の友情の話だった。
錆だらけで色褪せたような風合いの町並みがとても素敵で、静かな生活、ソリッドな見た目と裏腹に子供には優しいところとか、役者の青年との静かな語り合い、全部いい感じだった。
その反面、全く見慣れない雰囲気の劇中劇が空気が違いすぎるし長いし、キツかったな~。向こうのミュージカルみたいなものなのかな。

最後は借金取りから足を洗う為に全財産を掻き集めて他人の借金を完済し、役者青年に褒められた、かつて父親がやっていたソン・ランという楽器弾きになるために劇場に向かうも、取り立ててで破滅した男に刺されて死亡。
翌日会う約束をしていた男の為に、男が愛読していた物語に出てくる象を模した置物?を眺めて劇場の外に出る役者青年が、雨で洗い流されてしまった血の跡に気付かずに去るところで終わり。

いや、今もう一回文脈を思い返すと、ゲイの映画かな…?
直接的な表現はなにもないけど、役者青年が最初の方で"こいつは恋を知らないんだ"みたいな事言われてなかったっけ…?愛だっけ?だから芸に深みがどうのこうのって台詞があったような。
そして最終盤のやたらとなが~い劇のシーンを思い返すと、芸が磨かれた=人を想う気持ちが芽生えたって事だったのか…なぁ。
少なくとも、役者の青年は男の事を特別に思ってたのかも知れないなあ。

終わり方は全く予想通りで、なんなら[ 振り返れば奴がいる ]を思い出すくらい懐かしいやつなんだけども、全体的な雰囲気は良かったなぁ。劇がアレじゃなければなぁ。
借金取りの男の人はどうやら新人役者さんらしいけれども、見た目がいい…と思いながら観終わった。
ふじこ

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