矢吹

あの日々の話の矢吹のレビュー・感想・評価

あの日々の話(2018年製作の映画)
3.6
あるある。
見たことないけど、あるある。
容易に想像できる、あるある。
巡恋歌と純恋歌も。
謎の所属意識も責任感も上下関係も。
童貞ネタは鉄板すぎるな。
みんなで笑った。

序盤は、出てる役者誰も知らんし、太賀と村上虹郎の名前があるから、カラオケルームごとのオムニバスか群像劇かと思いきや
ワンシチュエーション。ワンルーム。
正確にはツールームシチュエーション。
配役が面白かった。

ガチガチの上下関係かと思いきや、団結も逆転も単純明快な男性陣。
真っ向から大喧嘩するかと思いきや、仲直りなどのスイッチの入り方が複雑怪奇な女性陣。
男と女の上下関係や関わり方を対比させて最後に混ぜ合わせる。
映画ならもっと波をいくつも用意したいところやけど、丁寧に蓄積させてた。耕してます。マゾヒスティックな作り方だな。絵的にもかなり退屈になる。この辺もまた舞台的。
でも、知らんサークルの側から見た滑稽さと退屈さを的確に表現してるから、かなり意味があったように感じる。

20歳そこらの人間たちの4年間というサークル独特の社会性。
滑稽すぎる。
おもろい、おもろくないとかさ。
個人的にはサークルってもうちょい緩やかで楽しかったけど。
周りから見たら、自分たちもこんなもんだったんだろう。
見てて恥ずかしさも覚えたってことは、深層心理ではそう思ってたのかもしれないです。
なんにせよ、人に見られるようなもんじゃないよ、青年期。
成熟に捧げる「青春ってやつ」

童貞と非童貞を分けるかのようなフロアスタンドとか最初の流れるカットとか最後の純恋歌とピントの当て方とか。見やすかったけど、とりあえず8日のスピード撮影やったらしく、監督はほぼ関わってないとかで、監督的にカット割りは特に意味がないらしい。
上述通り非常に演劇的やと思った、観客が割って入れない感覚も。

何人かが、大学生にしては高齢すぎるのも気になった。なんとか飲み込めたけど、最初はだいぶ喉につまりかけた。上手いんだろうな。

社会人入学のおじさん使うのはせこいでしょ。その都度たしかに面白かったけど。キャラ乗せすぎ。
コントだからいいんだよ。

その辺にいる変な奴を集めて、ワンルームに閉じ込めたデスゲームものです。
しんどいやつのサラダボウル。
かなり痛い描写が多いのでなんだか長く感じた100分。
各々はリアル。
結局、いろんな変な奴像はどの時代にも共通のものがあると思うから、誰がみても、あの日々の話。
になりそう。そういう意味では、いい感じ。な気がする。
キービジュアルと松本穂香のアフタートークに乗せられて鑑賞したけど、とりあえず、
高田馬場は何も悪いことしてないぞ。元気出して。


女ってなんなんだろう。
矢吹

矢吹