回想シーンでご飯3杯いける

メランコリックの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

メランコリック(2018年製作の映画)
3.8
東京国際映画祭で監督賞を受賞、更に昨年「カメラを止めるな!」が受賞し話題になったウディネファーイースト映画祭でも新人監督作品賞を受賞という事で、一説によると製作費わずか300万円ながら注目を集めている作品。

制作費300万円と言えば、これも「カメ止め」と同じぐらいか。「銭湯の深夜バイトで人殺しの手伝い」という、アイデアありきのような設定ながら、実はそれ以降の話の膨らませ方の方に面白みがあるという、なかなか侮れない作品だ。

東大卒ながら万年フリーターの主人公と、裏社会で生きてきた同僚、松本との対比が面白い。人生の何に価値を感じるかは人それぞれ。他人には理解できない人生の価値もあれば、他人だからこそ理解できる価値もある。そんなメッセージがふわーっと浮き出てくる青春映画。この映画が、若手監督&俳優2名で構成される製作チーム「One Goose」によって作られているのも、作品内の共同作業に通じるものがあって、何だかワクワクしてしまう。