キモサベ

伊豆の踊子のキモサベのレビュー・感想・評価

伊豆の踊子(1963年製作の映画)
3.3
時は現代、街で大学教授(宇野重吉)が教え子の男子学生(浜田光夫)に呼び止められ結婚の相談を持ち掛けられます
相手の女性(吉永小百合)はダンサーをしているとのこと
・・・と、ここまではモノクロ そこから、教授自身の回想が始まります
一転、鮮やかなカラー画面となり、物語は原作(小説)の世界へ・・・

凝った作りです

天城越えの途中、旅の学生(こちらは高橋英樹が演じます)が、旅芸人一座と遭遇、その中に若い踊り子薫(吉永小百合が二役を務めるという寸法)の姿がありました・・・で、“ビビビ”(死語です)の始まりぃ~

監督の西河克己は、同じ吉永、浜田、高橋トリオで同年に「青い山脈」を作られています

最近、思うんですよ こういった“古典的”映画を観ていると、今、同じもの作るとしたら俳優さん誰にしよう?・・・自分が監督でもないのに、です しかも真剣に考えて結構、行き詰ってしまいます

で、本作は“俳優”さん、キャスティングの勝利です

吉永小百合(18歳) 学生さんと旅を一緒できる“うれしさ” 次第に高まってゆく高揚感(アゲアゲ)がド直球で伝わってきます

浪花千栄子、“オロナイン”の関西弁のお婆ちゃんだとばかり思って・・・全然わかんなくっていいです
若い二人の“ビビビ”をいち早く察します 二人のハッピーエンドがないことを見越して、ならば、薫の“傷”が深くならないうちに・・・苦労人だぁ

十朱幸代(20歳)、“死にゆく娘”でたった1つのシーンながら存在感を
自分的には本作で演じる、“涙目”が印象深いの女優さん
この後は吉永に負けず劣らず、日本映画界(テレビドラマも)をけん引する女優さんとなります

南田洋子(30歳)、ちょっと、調べてみて下さいよ
彼女の本作前後の出演作品の数っ! 絶頂期、です

高橋英樹(19歳)、観ていただければわかるのですが、“あるシーン”を転機に「オレは、こんなことしていてよいのだろうか?」目覚める瞬間が訪れます・・・さすがは、『越後製菓っ!』

・・・以上です

最後に・・・
学生と薫、結ばれないハッピーエンドもあるんだなぁ・・・何より自分が“大人”になりました

【追伸】
劇中、旅先の村の入り口に立札が・・・「物乞い・旅芸人 村に入るべからず」 “足早”に通過する一座を村の子供たちが囃し立てます 
厳しいなぁ
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