HAYATO

夜の来訪者のHAYATOのレビュー・感想・評価

夜の来訪者(2015年製作の映画)
3.9
2024年115本目
1人の女性の自殺に秘められた真実とは?
J・B・プリーストリーの戯曲をBBCが映像化したミステリー
時は1912年。ライバル関係にあったバーリング家の長女・シーラと、クロフト家の青年・ジェラルドが婚約。家族が集まり、2人の祝いの席が設けられたが、そこへグール警部が現れ、ある女性が自殺したことを告げる。やがて、その女性の自殺にはその場にいる全員が関わっていたことが判明する。
『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』のアシュリング・ウォルシュが監督を務め、『縞模様のパジャマの少年』のデヴィッド・シューリス、『ワン・デイ 23年のラブストーリー』のケン・ストット、『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』のフィン・コール、『ピンキー・ブラインダーズ』のソフィー・ランドル、『キャシアン・アンドー』のカイル・ソラーらが出演。
原作者のプリーストリーは、第二次世界大戦中にBBCでレギュラー司会者を務めていたそうなので、何かとBBCとは縁があるのかな。
美しきブリティッシュイングリッシュを存分に堪能できるお上品なミステリーで、若き女性の自殺への関わりが1人ずつ明らかになっていく展開やラストで二転三転する意外性がすごく良い。
登場した瞬間から全てを見透かしたような雰囲気のあるグール警部は、佇まいと毅然とした態度がポアロやホームズのよう。「私たちは1人で生きているのではない。互いに責任を負うのだ。」という去り際のグール警部の言葉に重みがあり、上流階級の傲慢な振る舞いを反面教師にして自分の言動に責任を持ちたいと強く思った。
それにしてもグール警部は一体何者だったんだろう。
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