サミー

LORO 欲望のイタリアのサミーのレビュー・感想・評価

LORO 欲望のイタリア(2018年製作の映画)
3.4
これは芸術映画であり、映画としてのかなりの面白さと出来の良さを示しています。
人間描写とドラマが存分に鑑賞出来ます。堪能出来るかは観客それぞれでしょうが…

芸術映画として枠で述べますと、永遠の門 ゴッホの見た未来 は地味ながらも映画としてのなかなかの出来の良さと個人的には好きな作品です。しかしここに欠けていた・明らかに薄かったゴッホの内面が外に映し出される描写が本作には十分にあります。そしてより出来が良く面白くもありました。
監督の過去作のグランドフィナーレ や グレート・ビューティ では弱かった抑揚が本作にはあります。前述作よりも明らかに出来は良いです。


同時に悪い点も述べておきます。
1、
余計なシーンが多い
2、
意味がなくシーンが長い。
しかもそれが複数ある
3、
映画自体が長い


悪いとはいえないのですが…
1、
物語はありきたりです。富豪たちの退廃的で享楽的な例のやつ。
そこに登場キャラクターたちのどのような苦しみがあろうとも生活習慣や金銭感覚の違い等からそこに共感が出来ない方もいるでしょう。
*そこはベルルスコーニ氏という有名な人物を描いています。変更が出来ないものがありますので仕方がないです。
2、
主要キャラクターとして冒頭より登場する青年はおそらく主人公のベルルスコーニ氏の若い頃を投影させた存在だと思われます。
つまり現在の主人公と過去の主人公が同じ場所で邂逅・交流を匂わせるという映画等の手法の一つであり楽しませかたの手法でもあります。
でもこれの描き方が弱い。貧弱貧弱ゥゥゥ、みたいな。
3、
物語・内容がくだらない。
欲望のイタリア というよりは あなたの欲望 でしょ!


映画や芸術に慣れている方ならば楽しめるのではないでしょうか?
映画に慣れていない方には退屈極まりない映画なのかもしれません。というか良さがわからない可能性があります。
サミー

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