くろきつ

アポストル 復讐の掟のくろきつのレビュー・感想・評価

アポストル 復讐の掟(2018年製作の映画)
4.7
誘拐された妹を助け出すために狂信的なカルト教団に潜入した男が見た想像を絶する真実を描いたヴィレッジ・バイオレンス・スリラー。

カルト教団に誘拐された妹を救うために教団の拠点である孤島に足を踏みいれた男はその島で数々の残虐非道な行為を目撃することになる。その行為たちの裏には孤島に隠された恐ろしいながらも神秘的ともいえる真実があった。男は妹を救う過程でその真実を目の当たりにすることになる。空気感がいい。前半でゆっくりとこの孤島に隠された真実が何なのかという恐怖を染みこませてくるのに対して後半からの残虐行為の畳みかけは心が躍った。村の作りが完璧。役者の演技が完璧。序盤が典型的なヴィレッジスリラーなのに対して後半は誰も予測できないようなファンタジースリラー。さすがNetflixとしかいえないような圧倒的な造形に感動した。意外にも教祖や信徒たちにも我々と同じ人間の心や常識を持っておりそこが他のヴィレッジスリラーと違うところだと思う。ヴィレッジスリラーで重視されるのは追いつめられた人間のカルトへの狂信だが、この映画ではカルトへの狂信よりもその島に眠る恐ろしい真実を重視していて唯一無二のヴィレッジスリラーとなっていた。サブタイトルの意味はよくわからないが、とてもいい映画だった。好き嫌いは分かれると思う。結構グロテスクなので要注意。でも私はそこが好き。
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