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サマー・オブ・84のeyeのレビュー・感想・評価

サマー・オブ・84(2017年製作の映画)
3.7
Summer of 84 (2019)

今年シネマカリテでのラスト上映の頃に

「テーマからして最高だなー」

っとずっと思って観ようと思ってたけど
結局 劇場で観なかった、、、という、、、

円盤化に差し当たってようやく鑑賞した

このタイトルを見たときに

「あれ?」

と思って…というのも

Pictured ResortのAlbumにSummer of '85って1年違いのタイトルの曲があるけど…

関係ないでしょう (たぶん)

肝心の映画はと言えば 『スタンド・バイ・ミー』を彷彿とさせるアノ青春感全開

あの時代の特有のジュブナイル全開からの高揚感が再現されてる

デイビー
イーツ
ファラディ
ウッディ

探偵団4人の思春期が全開で

・男の子が女の人に興味ある童貞感
・話す内容は大体 妄想からの下ネタ
・女の子が男の子を転がす妙な上から目線

テンプレかと思っちゃうけどその感じが最高

それから何が良いって劇伴のチープに浮遊するシンセがいちいち絶妙

ストーリー且つジュブナイル感をより一層引き立たせてるべく ナイスなタイミングで

「その音をここで入れてくるんだ…」

と観てるこっちまでワクワクしてしまった

Timecop1983・The Midnight・FM Attack・Collegeらのアーティストにもシンパシーを感じるようなシンセ使い

同じ雰囲気を纏う曲で例えるならRyan Gosling 主演 "Drive / 2012" の A Real Hero が近いであろうか

ストーリー自体の雰囲気は名作『なぞの転校生』にも通ずる どうなることやら的な ストーリーの奇妙な恐怖感も再現されている

『なぞの転校生』 の場合はSF観を感じるけど

実際 子どもが誘拐されて13人もいなくなれば
そりゃ恐怖だし 町に戒厳令発令だろうけど

ストーリーの軸である80年代の服装やメガネ・車・自転車・ポスター・町並み等々あらゆる雰囲気があるからこそ時代感を表現する下地になっていた

しかも友達との連絡手段が
「トランシーバー」だし

町で起きている数々の誘拐事件について

デイビーを中心に4人が推理して探っていく冒険心を観衆も一緒に追うことができる

会話の基本は安定の下ネタだけど

ただ4人がそれぞれ抱える心の葛藤があるけど 仲間達を想い合う心の描き方がすごい

80年代当時 牛乳パックに行方不明者の顔写真を載っけていたのは今じゃとても考えられない

個人情報のダダ漏れで「プライバシーはどこいった」レベル

時代の考え方が違うから人間関係を重んじることや大らかな意識の共有・隣人や地域での共生の意識を考える上でも現代と違った考え方をしてる

それを追体験できる
要はあの時代へのオマージュが炸裂してる

>連続殺人鬼だって誰かの隣人だ

キャッチコピー通りに警察官マッキーの多々「怪しい出来事」全てがミスリードぽく展開していき全て空振りの中

最後に「ガッ」っと持っていく

人に恐怖を植え付ける方法が描かれる

「こうすれば永遠と恐怖から逃れられない」

ってことを見せつけてくれる

そもそも気づいた時が恐怖の始まりで
常に監視されるような恐怖を与えていき

それは「想像力」に由来するような形で描かれ
結果 恐怖が隣にあることで 怯えさせ続ける

好奇心を極限まで突き詰めて行った結果
最も厳しい代償を払うことになる

不条理を体験することにラストは救われない

基本的に人間の本性について疑っていて
それは誰もが「秘密の顔」を持っているという

ラストに響くナレーションに心打たれた
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