ふみ

運び屋のふみのレビュー・感想・評価

運び屋(2018年製作の映画)
5.0
鬱映画ではなくメッセージ映画。同列のテーマの映画は多々存在するが、ここまで強く訴え切れたのはイーストウッドだからこそ。
仕事に人付き合いに「外」ばかりを大切にしてきたおじいちゃんは、気がつけば色んなものを失っていた。家族、信用、お金。そんなおじいちゃんが罪を犯してまで手に入れたかったもの、それが多分人生でいちばん大切なもの。
「あなたはいつも外にばかりいる、家にいても外に出たがるのね」
「外で認められることじゃない、大切なのはここにいることだった」のセリフに始まり、法廷でのおじいちゃんのセリフで涙腺が崩壊しました。(ネタバレ設定でコメントに書く)

「広い交友関係」「お金」「名声」って結局努力すればすんなり手に入る。でもいつかは人は離れていく、その切れ目はお金かもしれないし環境の変化かもしれない。それより手に入らないのは時間で、時間は限られていて、1度手からこぼれ落ちたら戻らなくて、だからそれをどう使うかしっかり考えなきゃいけない。
関わってきた沢山の人がいるけれど、でも本当に大切なのは半径5m以内の人たちなんだよね。その人達と過ごす時間を忘れたくないと思った。

なんかイーストウッドの映画を見てるとこの世に悪人なんていないんじゃないかと思えてしまう。どうか長生きしてまた素晴らしい映画を撮ってほしい
ふみ

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