ワイカ

運び屋のワイカのレビュー・感想・評価

運び屋(2018年製作の映画)
4.0
クリント・イーストウッドの監督作品て、説教臭かったり重苦しかったりでどうも苦手なんですが、これは珍しくちょっと肩の力が抜けてて、クスっとできるコメディ要素もあって楽しめました(暗いジャケはミスリードかと)。

高齢で生花業に行き詰まった主人公が、孫や戦友への見栄のためにヤクの運び屋をやってお金を稼ぐ話。

おじいちゃんで模範ドライバーなもんだから誰も疑わず、マイペースで荷主のカルテルのお目付役も翻弄するという展開が微笑ましくて癒されます。若いチンピラからも一目置かれて仲良くなるし、とっても魅力的。殺すと脅されても戦争に出兵したしもう年だから死ぬのは怖くないというのもカッコいい。ある意味で斬新な設定かも知れません。キャスティングも豪華でさすがです。

でも終盤はやっぱりちょっと切ないイーストウッド印。家族や老いについてのメッセージもあって、観た後にじんわり余韻がきます。静かだけど味わいのある作品。ここ数カ月に観た映画の中ではかなり上位でした。

ところでこれって実話ベースなんですね。びっくり。

追記)C・イーストウッドの監督の過去作品て改めて確認したら、スペースカウボーイズとかわりと軽めのもあるんですね。ミスティックリバーとミリオンダラーベイビーがまったく受け付けなかったので苦手意識を持ってました。
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