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吐きだめの悪魔のblacknessfallのレビュー・感想・評価

吐きだめの悪魔(1986年製作の映画)
3.7
YouTubeに字幕付きが落ちてると友人に教えてもらい久しぶりに鑑賞。

吐きだめの悪魔と言えば安酒飲んだホームレスの方々がドロドロに溶けるシーンでスキモノ達から崇拝されてる映画。

十数年の時を経てもそのホームレス溶解シーンのインパクトはすごい。
酒飲むと体の至るところが液状化して最後は泥みたいにぐちゃりとなっちゃうんだよ笑
しかも体液が青や黄色なもんで溶けたアイスクリームみたいで凄惨な感じにならずファニーなんだよね。体液をこのカラーにしたセンスは素晴らしいと思う。

ここは自分の記憶どおりだったんだけど、ストーリーに関しては特段何もなくホームレスが酒飲んで溶けるの繰り返しだと思ってたんだけど、ホームレス達が住み着いてる廃車置場の社長と事務員お姉ちゃんのセクハラ劇やこのお姉ちゃんとヤングホームレスの恋、ひょんなことからホームレス達に犯されて死んでしまうギャングの愛人、仇を打とうするギャングに事件として捜査する刑事と色んな人物が交錯して複雑な物語が展開される。
この辺のことは記憶からスッポリ抜け落ちてたから驚いた笑

それと子供の時は何とも思わなかったけど、廃車置場の社長や酒屋の店主なんかがホームレスに侮蔑的な言葉を投げかけたり、不良からリンチされそうになったりとホームレス差別の酷さが心に刺さった。
警察ですらホームレス溶解死捜査は適当なのにギャングの愛人事件では真っ当に捜査したりでリアルな社会の酷さを意外にもしっかり画いてるんだよな。
ホームレス役の人達はみんなズタボロの服で顔から下まで土がこびりついてたり、町の売春婦も草臥れてやさぐれた毒々しい感じだったり、下層の人達のリアルをよく切り取っていた。
ホームレスの背景もベトナム戦争でおかしくなってしまったり、無責任な親に捨てられたりと真実味があったね。

とは言え、別にそういうことを考えさせたりしたいわけじゃなく舞台とストーリーの必然性からのことだと思う。
背景に同情はできるとは言え、ホームレスの人達、仲間内で窃盗はするしレイプまでするような連中なんで、、笑

それと溶解シーンと並んでこの映画の見せ場となる所謂チンコラグビーがある。
1人のホームレスがベトナム帰りの狂ったホームレスにナイフでチンコを切断される。周りで見てたホームレス達も大爆笑する。ベトナム帰りがそのチンコを他のホームレスにパスする。切り取られたホームレスが「返してくれー」と駆け寄る、するとチンコを受け取ったホームレスはまた他のホームレスにパス💨
これがけっこう長々繰り返される。
チンコのリアルな造形と相まって、その痛々しさとバカバカしさに笑わずにはいられない😂

やっぱりショックバリューに力点置いたサービス精神旺盛なバカホラーなんだよね笑
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