上海の零細商店主チョン（シュー・ジェン）は白血病患者リュ（ワン・チュエンジュン）にインドの薬の入手を頼まれる。高額すぎる正規品が買えない患者を相手に、チョンは金目当てで密輸を始めるが、やがて警察が動き商売を断念する。しかし、患者の苦しみを知り、仲間を失ったチョンは利益を求めずに危険な密輸を再開する。
中国版「ダラス・バイヤーズクラブ」と思いきや、行政との戦いはなく、闘病の画面も少なかった。
どちらかというと、仲間との絆によって主人公が目覚めていく人間ドラマだ。
特に前半はコメディ色が強く、ドタバタ映画になりそうな予感もあったし、何よりチョンが金にがめつく元妻に暴力をふるうという最低男！まったく感情移入できなかった。
しかし、そんな男がどんどん変わって行く後半はまったく違う映画になって引き込まれた。
カーチェイスは余計だし、子供をダシに使ってるし、感動させようというあざとさが凄かったけど、しっかり感動してしまった。
そもそも国の制度に問題があるのに、そこに触れずにこれほどエンタメ色豊かに感動できる映画を作ったのが素晴らしい。
他の国だったら、確実に患者vs国の戦いで、悪者は行政のはずなので、身代わりのスイスの製薬会社はちょっと可哀そうだ。
