しろくま

蜜蜂と遠雷のしろくまのレビュー・感想・評価

蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)
3.6
《ピアノが好きなんだね》
〝うん、好きだよ。世界中にたった一人でも野原にピアノが転がっていたら、いつまでも弾き続けていたいくらい好き〟〝誰も聴く人がいなくても?〟〝うん。音楽ってそういうものでしょ〟

かつてジュニアコンクールを制覇するも表舞台から遠ざかっていた元天才少女・栄伝亜夜(松岡茉優)。夢を諦めきれず最後のチャンスに懸ける妻子持ちの社会人・高島明石(松坂桃李)。音楽エリートとして超名門音楽院に在籍し優勝候補最有力のマサル(森﨑ウィン)。そして、今は亡き世界最高のピアニストが遺した謎の少年・風間塵(鈴鹿央士)。全く異なる境遇にある4人の天才ピアニストが、コンクールでの熾烈な戦いを通して、互いに刺激し合って成長していく感動の音楽映画なんだけど…。

自宅にピアノがなくて音の出ない木製の鍵盤を弾いて練習している風間塵って、まるでアニメ〝ピアノの森〟の一之瀬海じゃん。塵の〝野原にピアノが転がっていたら、いつまでも弾き続ける〟って台詞は、森に捨てられたピアノをおもちゃ代わりにして育った海そのものだし、世界的巨匠に推薦されコンクールに出場するのも一緒。〝ピアノの森〟で英才教育を受けてる雨宮修平は本作のマサル、実力は確かなのにプレッシャーに弱い〝便所姫〟丸山誉子は栄伝亜夜とキャラクターが被っていて、どうなのッて感じだけど…。

演奏は本格的で、キャラクターに応じて曲の感じを変えていて聴きごたえがあった。特に塵の演奏は、めちゃめちゃ楽しそう。お互いライバルなのに、アドバイスをし合ったり、一緒に連弾をしたりして、ステージを離れると仲がいいのもいいね。

視聴メモ:2023.06.19/099/図書館DVD
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