わか

ちいさな独裁者のわかのレビュー・感想・評価

ちいさな独裁者(2017年製作の映画)
3.5
地位や権力が人を変えてしまうことは歴史上でもよくあることだが、制服を拾ったというだけでここまで人間が変わってしまうことは驚愕だった。
偶然将校の制服を拾い、着たことで将校に勘違いされてしまった主人公、そこでバレて終わりでは無く、将校になりきる覚悟をしたこと、徐々にエスカレートしていく振る舞いがいかに、戦争の末期が悲惨な状態だったのかを物語っている。
脱走兵だった自分が同じようなものたちを集め、大量虐殺に走ってしまうという展開は、何がそこまで主人公を変えてしまったのか最後まで理解ができなかった。
きっと極限の状況でまともな判断ができない精神状態故に辿り着いてしまう境地があるのだとは思うが、一体何に主人公は追い詰められていたのだろうか。
ただ、若干20歳の成年が自分より年齢も階級も上のものに対して堂々と指揮を執る様子は圧巻で、劇中に出てきたどの人物よりも士官らしかったと言わざるを得ない。
エンドロールにも当時を皮肉る演出がされており、帰ってきたヒトラー同様ドイツの戦争に対する認識は一貫していると思った。
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