ちいさな独裁者の作品情報・感想・評価

「ちいさな独裁者」に投稿された感想・評価

ne22co

ne22coの感想・評価

4.1
2019年 試写鑑賞 2

トラウマ級。

ざっくりとしたストーリーのみ把握して鑑賞したけれど、自分が想像できる【人間】を軽く飛び越えてくる【人間】の生々しさが凄い。『サウルの息子』を観た時に感じた「あの感じ」だ。。。と思いながら、逃げ出したくなるような、けれど私たちが絶対に忘れてはならない2時間を体感した。

あと、エンドロールの演出がほんと秀逸。絶対に最後まで観きって欲しい。
ヨラ

ヨラの感想・評価

3.4
なかなかおもしろいんだけど、小心者がうそをついてついてつきまくる、しかも残虐という構造がつらい…というか、エンディングがシニカルすぎて戸惑いました
Shoty

Shotyの感想・評価

3.6
観たのは3月だったかな なかなか前だけどもあの映画館の空気とエンディングでおやおやと思ったのを覚えてる
ドイツ人が撮るこのテーマの映画でBGMなんかあるわけないし モノクロが作る緊張感もあって冷たかったですねぇ
ん 日本ではカラーなのかな

このレビューはネタバレを含みます

正直、試写会場を抜け出したくなるほど、見続けるのは怖ろしく苦痛だった(こんな思いをしたのは『サウルの息子』以来)。

ドイツ敗戦末期、脱走兵のヘロルトは辛くも追っ手を逃れ、たまたま勲章をいくつもぶら下げた将校の軍服を発見、いくつかの偶然と幸運によって、彼はヒトラーの特命を帯びた大尉になりすますことに成功する。

最初は、かろうじて助かった主人公に観客は感情移入しようとする。盗みを働いた敗残兵を処刑する羽目に陥るのも致し方ないか・・・などと漠然と思っているうちに、彼はそら恐ろしいほどの残虐行為を次々に犯し、躊躇いも迷いもなくただただ堕ちてゆくのだ。

ヘロルトは実在の人物である。ドイツ東部の小さな町で生まれ、煙突掃除の見習いとして働いた後に徴兵されたという。彼はごく普通の青年だったのか? いや、機転も利けば目端も鋭く、危機に際してもポーカーフェイスで演技を続ける度胸といい、むしろ図抜けた能力の持ち主だったと言えるのかもしれない。あるいは制服の威力があり、独裁者をとことん真似た振る舞いをするだけで、〈凡庸な悪〉(アーレント『イェルサレムのアイヒマン』)が蔓延していたなかではだましおおせるのも可能だったということか。

「単なる道徳的な反応を超え、彼の視点から世界を体験する必要がある」と語る監督がハリウッドを経て15年ぶりに故国ドイツで撮った作品。ハリウッドで鍛えられた手腕が活きていて、息もつかせない。

ヘロルトは再び脱走し、最終的にパンを盗んだところをイギリス軍に捕まった。ギロチン刑に処せられたとき、彼は未だ21歳になるやならずやだった。