まゆ

僕たちは希望という名の列車に乗ったのまゆのレビュー・感想・評価

3.7
1956年、ドイツが東西に分裂した冷戦下のソ連支配下東ドイツ。
西ドイツへの憧れとソ連への反抗心を持つ若者が、ちょっとした悪戯心からハンガリーへの黙祷をして
国家の敵とみなされてしまう。

まだまだ未熟だけど、真っ直ぐで、精神的には自立している若者たち。 卒業試験、友情、恋愛、政治的思想、いろんなことが一気に若者にふりかかり、どういう決断をするのか追い詰められていく様子に引き込まれました。
何が正しいかという、迷いと葛藤。

そんな大ごとになるなんて、、という戸惑いを持つ人、妙に自信満々に真っ直ぐ突き進む人、混乱した状況の中で燃え上がってちゃっかり浮気しちゃう人、知られざる親の過去を聞いてアイデンティティが崩壊してしまう人、いろんなキャラクターが19歳らしさを交えて描かれていて印象に残ります。

若者がこんな風に生きなくてはいけなかった時代があったんだ、と切なくなりました。

追記
エリックはクラスメイトを裏切り
彼の父は国を裏切り
クルトとレナはテオを裏切り
国家は彼らを裏切りものという。
本当の裏切りとは何か、そんなこともテーマだったんだろうな。
まゆ

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