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ラ・ヨローナ~泣く女~のYoshishunのレビュー・感想・評価

ラ・ヨローナ~泣く女~(2019年製作の映画)
3.2
“ラ・ヨローナの魅力に乏しい”

シスターヴァラクとそこまで顔が変わらないマンネリ悪霊ラ・ヨローナ。愛する夫に殺された、子どもを殺されたとかではなく、浮気された腹いせに我が子を溺死させるというとんでもない性格の持ち主。我に返り自殺してしまったものの、悪霊として子どもを攫ってわ殺すという中々ヤバい性格。ある種『死霊館』ユニバースの悪霊たちで最もタチが悪い可能性すらある。

ジェームズ・ワンは案の定製作に回り、後にユニバース2作を手掛けることになるマイケル・チャベスが監督を務めた本作は、南米に実在する伝説を基にしたホラー。ソーシャルワーカーの母が愛する我が子を救うために奮闘するお約束的内容だ。

正直、主人公である母のやらかしで成り立っている物語で、ラ・ヨローナも実体ありきかつ人間如きに標的をコントロールさせられる始末。そんなのどこかの家族に呪いを擦り付ければ解決するのではと考えたが、主人公が児童虐待相談員という設定上、さすがにそこまでの愚行はできない。また、意味ありげに亡き父のオフィスが映されていたが、特にそれが活かせる演出はなかった。

しかし、個人的には『死霊館のシスター』程悪い作品とは思わず、母が子を守るという単純な家族物語と、これまた単純なジャンプスケア含む恐怖描写のバランスは良い。あとはやっぱりラ・ヨローナ自体にもっと魅力的な設定や背景が欲しかったところ。
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