Jun潤

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者のJun潤のレビュー・感想・評価

3.9
2022.07.29

2015年に始まった、1993年公開、スティーブン・スピルバーグ監督の『ジュラシック・パーク』の正統続編シリーズの完結作品。
初代の流れを汲みつつ最新の映像技術を使ったダイナミックな恐竜アクションエンターテインメントな一作目、B級パニック感を醸し賛否両論起こしそうなビターエンドを迎えた二作目を経て、ついに“ジュラシック・ワールド”と化した世界を舞台に、遺伝子が見つける道、人間が生き残る術、共存の是非を問うかもしれない結末は、IMAXで観るしかないでしょうよ!

イスラ・ヌブラル島から世界中へ恐竜が解き放たれてから4年。
頻発する恐竜被害への対応は、恐竜の保護区域の指定など、徐々に進んでいた。
中でもバイオシン社は、蘇った恐竜のDNAに人類の新たな可能性を見出し、研究を進めていた。
ロックウッドの遺児・メイジーは恐竜の保護と観察をしているオーウェンとクレアと共に暮らしていた。
そんな3人の前に、かつてのオーウェンの相棒でヴェロキラプトルのブルーが子供を連れて現れる。
単為生殖に成功したブルーに喜びを感じつつ、完全に道を違えてしまったことに動揺するオーウェン。
しかし突如として、ブルーの子供が何者かに連れ去られてしまう。
子供を必ず連れて帰ることをブルーに約束し、3人は旅に出る、
一方その頃、かつて「ジュラシック・パーク」の惨劇の場にいたエリーは、世界各地で発生している巨大なイナゴによる蝗害を調査するため、アランをスカウトし、バイオシンのイアンにも協力を求める。

恐竜いたよ…。
IMAX鑑賞だったこともあってそれはそれは大大大迫力の恐竜たちの姿。
前々作はテーマパーク内、前作はそこに船を挟んでロックウッド邸内ときて、今作ではまさに「ジュラシック・ワールド」な、恐竜がいる世界中を舞台にしていた印象です。

が、終盤はやっぱりバイオシン社の敷地内でのパニック・アクション。
まぁもうそれが『ジュラシック・シリーズ』の本領なんだろうなといった感じ。
恐竜がいるオープンワールドな雰囲気は序盤と終盤の描写で想像を広げるには十分すぎるので、各個人の「もしも恐竜が街中に現れたら」な妄想が捗りますね。

テーマ的にはシリーズを通して描かれてきた遺伝子の力と、人間が至った禁断にも見える科学の可能性、そして原題「dominion」(支配)。
バイオシン社が企んでいたのはイナゴのDNAを操作し一世代で絶滅させることだった。
アランが起こした混乱から、イナゴたちを焼き払ったルイスだったが、体が燃えてなお、生命は道を見つける。
恐竜もまた、現代の動物たちとの共存を可能にしていく。
オーウェンらの手を離れ、自分自身の存在を見つけ出したメイジーのように、恐竜も虫も人間も、生命を『支配』することは誰にもできない。

男の子はみんな恐竜が好き(偏見)。
例に漏れず僕も大好き。
地球の中での生命の歴史、絶滅した生物が現代に蘇る空想、それを映画内で実現する技術。
そんなロマンに溢れたシリーズも一旦は完結。
おそらくですが『ゴジラvsコング』みたいに人間ドラマやテーマ性を廃して完全娯楽ものに振り切っても需要はあると思うので、「恐竜」という一ジャンルは今後も広がって欲しいですね。
Jun潤

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