アナ

ウエスト・サイド・ストーリーのアナのレビュー・感想・評価

4.0
個人的な期待度が高すぎたせいか、鑑賞後興奮が止まらない!ってほどではなかったかな。でも面白かった。
ちなみに私は前作ではジョージチャキリス(ベルナルド)大好き芸人です。

前作と比べてどっちの方が優ってる劣ってるって話ではないと思うがやはり比較しながらの鑑賞。
今リメイク作品としてやる意味、伝えたい事や描きたい事も感じ取ることができたがどちらかというと前作をもう少し立体的に描いたって感じ。2021年公開のインザハイツと併せて観ると面白いかも。

・スピルバーグ監督作品として観て
なんかなぁスピルバーグがうますぎるというか、「ミュージカル映画」というより「映画」なんだよね。100点なんだよ逆に…。前作の曲の合間のドラマを増量することによって前作の説明不足を補足して、ストーリーとしてより説得力を持たせた印象が強かったんだけど、そもそもミュージカルでそこまで説明的になる必要あるのかとも思った。結果的にドラマパートとミュージカルパートのバランスが悪くなってしまったかなぁと。
あと、先入観かもしれないけどほとんどの暗いシーンが、宇宙人か何か出てきそうだな...と思ってしまいがちだった。画が壮大すぎるのか、スケールが出てしまうものなのか。
しかしこういう風に描きたかったんだ!っていう愛情がすごく伝わってきた。ずっとリメイクしたかったんだろうなぁって。

・俳優は女性陣が大健闘!!!
マリア(レイチェルゼグラー)
まずもってめちゃくちゃ可愛い。歌もすごくうまい!ヒロインとして愛される説得力もあり、よくこんな子見つけてきたな!と感動。実写版白雪姫も演じる予定とのことで楽しみ。ナタリーウッドも透明感ある美人ですごく好きだったけどぎょっとする程ダンスが微妙すぎて若干トラウマだったんだけど、この子は上手でした。

アニタ(アリアナデボース)
先日発表のアカデミー賞助演女優賞にノミネートされていましたが、納得の演技!!!!芝居、歌、ダンス全て隙がなく、本物のアニタだった!プロムで優等生を演じてたとは思えない、完璧な姉御のパフォーマンス。

トニー(アンセルエルゴート)
彼はダンスの名手でもあるので、どちらかというとベルナルド?と思ったけど、coolで結構動いてたので納得。ベイビーの寡黙な演技しか観てなかったので、まぁやっぱさすが上手いなと思いました。歌唱は普通。
ベイビー・ドライバーで好きな俳優でもあったものの全体的に一連のもやっとが晴れずの鑑賞だったのでそもそもあまり集中できなかったかな…

・ナンバーについて
America
めちゃくちゃに良かった!!!前作の夜から変えて真昼間に。こういうのをミュージカル映画で観たいのよ!!

プロローグ(ジェッツvsシャーク)
私は前作のプロローグがとても好きで、この時代だから出来上がったもので誰もこれを超えるオープニングは作れないだろうと思っていたのですが、まさかの今回リメイクするにあたり、もしスピルバーグが前作超えるとんでもないプロローグかましてきたらどうしようと内心不安でしたが塗り替える事なく本作の撮り方できたので安心した部分がありました。個人的には、ガラの悪い兄ちゃんたちがバレエを基礎としたシアターダンスを踊り出すっていうギャップが品よくて痺れるんですが、本作は難易度高そうだけど違う雰囲気の振付だなぁと思いました。今ってあんまシアターダンスみたいなのよりヒップホップみたいな動きの方が流行ってんのかな?

Cool
撮り方やダンスが、前作を踏襲しつつ新しくてかっこよかった。


・まとめ
スペイン語と英語混じりだったり、ガラッと変えるのではなく前作を踏襲した上でメッセージ性を入れ込むっていうのはリスペクトが感じられた。アニタがヴァレンティーナのお店で攻撃されかけた時のジェッツに「自分たちの故郷に帰れよ」ってセリフで泣いてしまった。

ジェッツの女性、タイガーだったかな?の扱いに関しても、なにかあるかなぁと思ったけど特に何もなかった。2020年代なんだし、この人のソロ曲入るの期待してたんだけどなぁ。描写の進歩がないように感じた..

ミュージカル映画として近年ずば抜けて良かったと思うのはプロム、インザハイツだったんだけど、作風は違えどそして映画としてはすごいにせよ、ミュージカル映画としては及ばずって感じだったかな。(正直この2作を超える興奮を期待していた)

それにしても映画界の巨匠が監督33作目にしてミュージカル映画初挑戦って、それだけですごく熱い想いが感じるしロマンがあるなぁと思いました。
アナ

アナ