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ウエスト・サイド・ストーリーのkarmapoliceのレビュー・感想・評価

3.5
West Side Story:スティーヴン・スピルバーグ監督、製作、トニー・クシュナー脚本、リタ・モレノ製作総指揮、アンセル・エルゴート、レイチェル・ゼグラー、アリアナ・デボーズ出演、レナード・バーンスタイン、デヴィッド・ニューマン音楽、ヤヌス・カミンスキー撮影、アーサー・ローレンツ原作、2021年作品。

ロバート・ワイズとジェローム・ロビンズ監督の1961年作品以来スピルバーグ監督による2度目の映画化。1961年版のアニタを演じたリタ・モレノが製作総指揮を執っている事も話題性がある。

舞台は1950年代のニューヨーク・マンハッタンのウエスト・サイド。1961年版をかなりしっかりとリスペクトした映像や演出ながらも、レトロとモダンなデザインを巧く融合していて洗練を極める出来映えだろうか。さすがスピルバーグ監督!!

主演のアンセル・エルゴートとレイチェル・ゼグラーの2人のルックスがあまり好みではない気がしていたものの、2人の歌を聴くと納得のキャスティングとしか言いようがなかった(笑)

とにかく歴代のミュージカルの中でも「トゥナイト」「アメリカ」「マンボ」「クール」「マリア」などのレナード・バーンスタインの楽曲が素晴しくて、個人的にもオールタイムで特別好きなサントラの1枚だと思う。

しかしながらオリジナルも同じなのだけどポーランド系移民の「ジェッツ」と対立するプエルトリコ系移民の「シャークス」の不良少年たちの抗争やその背景と、バーンスタインの華やかでクラシカルなフルオーケストラの演奏はミスマッチだと思う。「それこそがいい」とも言えるのだろうけど、スラム街を舞台にした「RENT」のような全編ロック仕立てのミュージカルなどを観た後となると、名曲だけど少しくらいアレンジ加えても良かったのかな?!と思ったり(笑)そうは言ってもあのメロディ群をヒップホップに乗せるなんて到底可笑しな話だし(苦笑)

移民同士の抗争の物語は昔も今も変わらないものがあるのかも知れない。その辺のスピルバーグのメッセージ性や製作意図は素晴らしい気はする。やはりスピルバーグ監督がミュージカル撮るのは意外に思えたし(笑)とりあえず観応えたっぷりだったとは思う。
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