rage30

ウエスト・サイド・ストーリーのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

不良少年達の抗争を描いた、ミュージカル映画。

61年版は未見なのですが、意外と暗い話なんですね。
“アメリカ版ロミオとジュリエット”に、人種間の分断と対立という社会批評を持ち込んだ事が、原作が長く愛される理由であり、また今回リメイクされた理由でもあるのでしょう。

肝心のミュージカルシーンに関しては、流石の出来といった感じ。
歌もダンスもクオリティーが高いし、まるで踊るかの様な編集&カメラワークも決まっていて、誰が見ても楽しめると思います。
ただ、このレベルの映画になると、歌やダンスが上手いのは当たり前だし、撮影や照明の技術的な事までは分からないので、私の目ではそこまでの驚きは感じられなかったかな~。

物語に関しては、不良少年達の抗争と、そこに巻き込まれる男女の悲恋が描かれるわけですが、「乗れたか?乗れないか?」で言えば、乗れませんでした。
不良少年達には同情こそすれ、共感するまでには至らないし、ロマンスの部分もロミジュリがベースであるが故に、どうも古臭く感じてしまった次第。
分断が良くないのは分かったけど、「じゃぁどうすれば良いの?」って話だし、兄を殺した直後の男を速攻で許すヒロインにもモヤモヤを感じてしまいましたね。

61年版からのアップデートとして、キャストの人種を配慮したり、LGBTQ描写の追加が挙げられますが、これもまた当然の話であって、殊更取り上げて評価すべき事なのかなと。
特にLGBTQに関しては、微妙な役柄に終始していて、もうちょっと突っ込んで描いても良かったかもしれません。

自分自身があまりミュージカルが得意でない事、そして、見る前に期待値を上げ過ぎてしまった事もあり、「思ってたほどでは…」というのが正直なところです。
決して、つまらない作品ではないのですが、周囲の絶賛ムードと比べると温度差を感じちゃいました。
ミュージカルが好きな人なら、また違った感想になるんでしょうけどね。
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