Tully

ウエスト・サイド・ストーリーのTullyのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

音楽と映像のシンクロ具合がかっこよくて、見ていて快感。お馴染みの名曲の数々。曲が入るシーンがオリジナル版と少し違う気がするが、とてもよかった。改めてオリジナルも見返したくなった。なんで今更ウエストサイド?と思ったけど、移民と貧しい白人の争いというと全然過去の話ではない。僅かな縄張りを巡って争う若者達、でも彼らのいがみ合いとは全く関係なく街の再開発が進み居場所が奪われていく。どっちにせよお前らに権利なんかないよ、と。このリメイク版ではプエルトリコ系の役をちゃんとプエルトリコ系の役者が演じている。なんと言っても、オリジナルでアニタを演じたリタ・モレノが出演しているのが凄い。彼女の「somewhere」は素晴らしかった。トニーとマリアが瑞々しかった。特にマリア役は知らない役者さんだっただけに新鮮。歌も若々しくてきれい。歌とダンスは吹き替えなしの同録らしい。特にシャーク・ガールズの群舞が迫力あってかっこよかった。ただこれはもうイチャモンみたいなもので我ながら馬鹿みたいな感想だと思うけど、しつこい小競り合いがずっと続くので見ていて少しイライラする。元ネタの「ロミオとジュリエット」もそうなのだが、登場人物がみんな揃いも揃っておっちょこちょいであまり賢くないのだ。だから悲劇が起こる。ジェッツが青系、シャークスが赤系に統一された配色も素敵。マリアの服装で彼女の心境と立ち位置がわかる。ダンスパーティのシーンで赤いドレスのシャーク・ガールズの中、一人だけ白いドレスにかろうじて赤いベルトをした彼女は、トニーと出会った。その後はピンクの部屋着。デートには濃い赤のニット。トニーと共に生きることを決めた後は青いドレスを着ている。音楽と映像が美しくて見どころが多かった。
Tully

Tully